キャットフードに含まれている合成調味料について
キャットフードのパッケージにある原材料を見ていると、「アミノ酸」や「調味料(アミノ酸)」と書かれていることがあります。これらは具体的にはどんなものなのでしょうか。
今回は、キャットフードに含まれている合成調味料についてご紹介いたします。
キャットフードに含まれている合成調味料
キャットフードのパッケージに記載されているアミノ酸は、合成調味料のことです。
合成調味料は、その名の通り人工的に作り出された調味料です。人用にも広く使用されており、カップ麺やポテトチップスなどその利用は広範囲に及びます。昔は化学調味料と呼ばれていましたが、最近はうま味調味料という呼び方に変わっています。うま味調味料の代表は味の素です。主成分はグルタミン酸ナトリウムで、廃糖蜜(砂糖を抽出した残りかす)からグルタミン酸を生成し、それを水酸化ナトリウムと反応させてて作るのが一般的です。さとうきびを使う場合もあり、先ほど紹介した味の素はさとうきびを原料にしています。
キャットフードには、このグルタミン酸ナトリウムの他、グリシリジン・アンモニエートという合成甘味料が使われている場合もあります。グリシリジン・アンモニエートはグリチルリチン酸アンモニウムとも呼ばれ、マメ科の植物であるカンゾウ(甘草)の根に含まれる有効成分です。抗炎症作用や抗アレルギー作用などの優れた薬理作用が期待できるため、医薬品、化粧品などにも広く利用されています。
合成調味料の健康への影響
グルタミン酸ナトリウムは、人への健康についての影響も論争があります。1968年にアメリカの中華料理店で食事をした人の一部が頭痛をおこし、その原因がグルタミン酸ナトリウムと見られたという事件が起きています。病的な肥満を引き起こすという報告もあれば、それを否定する報告もあり、はっきりとした結論は出ていません。マウスへの大量投与実験で異常が見られたという研究結果もありますが、これは通常ではあり得ないほどの大量のグルタミン酸ナトリウムを投与した結果ですので、あまり参考にならないでしょう。同様に、キャットフードへの使用についても、あり得ないほど大量添加されていることはないので、危険性は無いと考えるのが妥当です。ただし、人の食用としてグルタミン酸ナトリウムが危険だと考える飼い主さんの場合は、おそらく人用の食事もグルタミン酸ナトリウム不使用のものを選んでいるでしょうから、キャットフードもそうした方が良いでしょう。
グリシリジン・アンモニエートについても同様に、あり得ないほどの大量投与をマウスに対して行った結果、肝臓などに異常が見られたという報告があります。こちらも通常の使用量の範囲であれば健康に影響はありません。医薬品に使用されているくらいですから、むしろ効用の方が期待できるでしょう。
まとめ
今回は、キャットフードに含まれている合成調味料についてご紹介しました。キャットフードに使用されている合成調味料にはグルタミン酸ナトリウムとグリシリジン・アンモニエートがあります。どちらも人用にも広く使用されており、過剰摂取しなければ安全性に問題はありません。ただし、人用の食事にも合成調味料不使用にこだわっている飼い主さんなら、キャットフードも合成調味料不使用のものを選ぶほうがよいでしょう。