ウェットフードの特徴と種類について
ウェットキャットフードは猫用のフードの一種で、水分含有率が70%〜80%程度のものを指します。大部分が缶詰やパウチで販売されています。
今回は、ウェットキャットフードの特徴と種類についてご紹介いたします。
ウェットキャットフードの特徴
水分が多い
ウェットフードは、多量の水分を含んでいます。このため、食事と同時に水分摂取ができるという利点があります。ドライフードの場合は、フードを食べた後に水を飲む必要があるのですが、ウェットフードの場合はその必要がありません。
柔らかくて食べやすい
ドライフードに比べると、柔らかくて食べやすく、消化も良いという利点があります。加工方法にもよりますが、素材の食感を残したものからジェル状に液化させたものまで、幅広くあり 、どれも柔らかいです。
食いつきがよい
猫は匂いで食欲が出ます。ウェットフードは素材の匂いが強いため、ドライフードに比べると食いつきがよい場合が多いです。このため、食欲不振や病中、病後の猫であまりフードを食べたがらない時に与えると、食欲が出ることがあります。
賞味期限が長い(開封前)
缶詰や厚手のアルミパウチに密封されているため、開封しなければ長持ちします。通常、1年以上は持ちます。ただし、開封するとドライフードに比べて痛みが早いので、すぐに使い切る必要があります。
カロリーが低い
多量の水分を含むため、同じグラム数のドライフードと比べると、摂取できるカロリーがかなり低くなります。ドライフードの場合、100gあたりおよそ350kcalなのに対し、ウェットフードでは100gあたり70kcalくらいです。成猫の必要カロリー(1日)は、体重(kg)×80kcalが目安なので、例えば4kgの場合は320kcalとなり、450gのウェットフードが必要な計算になります。
総合栄養食でない場合が多い
一部を除き、「その他の目的食」(副食、一般食、栄養補完食も同義)です。ドライフードが総合栄養食で、それだけで必要な栄養すべてを補給できるのに対し、ウェットフードはそれ単独だけでなく、ドライフードと併用する必要があることが多いです。
ウェットキャットフードの種類
総合栄養食
総合栄養食とは、それと水だけで猫に必要なすべての栄養素をまかなえるフードです。ウェットフードはどちらかと言えば嗜好品的なものですが、その中でもドライフードと同様、すべての栄養を補給できるのが、ウェットフードの総合栄養食です。
日本メーカーのものもありますが、ウェットフードの総合栄養食は海外メーカーのものが多いです。これは、海外には総合栄養食や副食といった区別がないため、どのフードも単独で必要な栄養をすべて摂取できるようになっているためです。
一般食
一般食とは、他の総合栄養食と併用することが前提のフードです。それ単独では必要な栄養素の一部しか摂取できません。大部分のウェットフード(缶詰やパウチ)が、これに分類されます。一般食の場合は、パッケージに「総合栄養食と共に与えてください」と注意書きがあります。
副食・栄養補完食
副食や栄養補完食は、一般食と同義です。メーカーによって一般食、副食、栄養補完食、その他の目的食と表記方法が異なりますが、すべて同じ意味です。つまり総合栄養食といっしょに食べることが前提のフードです。
間食
間食は、おやつやごほうびなど、猫とコミュニケーションをとるための手段として与える目的のものです。一般食との大きな違いは、一般食は完全でないものの栄養バランスを考慮して作られていますが、間食は猫がよろこぶことを第一目的としていることです。このため、よろこぶからといって間食をたくさん与えすぎると栄養が偏り、肥満やその他栄養バランスの乱れによる病気になりかねませんので注意が必要です。
総合栄養食以外のキャットフードの活用のしかた
猫に必要な栄養のことだけを考えるなら、総合栄養食で十分です。しかし、それだけではやはり味気ないものです。基本的には同じ総合栄養食を与えながら、時々一般食や間食を織り交ぜると、猫もよろこびます。特に、猫の体調が悪い時には、まずは食べてくれること優先で、いろんなウェットフードを試してみた方が良いです。猫は好き嫌いがはっきりしているので、気に入らないと食べません。種類が豊富で匂いも食欲をそそるものが多い、一般食や間食を利用して、食欲に勢いをつけてから総合栄養食を食べさせるのにも使えます。
一般的にはドライフードの総合栄養食が主食のケースが大部分ですので、時々、ドライフードのトッピングとしてウェットフードを乗せてあげると、味が変わって猫もよろこぶでしょう。
まとめ
今回は、ウェットキャットフードの特徴と種類についてご紹介しました。
ウェットフードの特徴は、水分が多い、柔らかくて消化が良い、開封前の賞味期限が長い、カロリーが低いといった点が挙げられます。またその種類には、総合栄養食、一般食(副食、栄養補完食も同義)、間食があります。ほとんどのウェットフードは主食ではなく、おかずのような位置づけですので、総合栄養食とあわせて与えましょう。